だれにも相談できず、二の腕のぶつぶつを気にして悩んでいるという方、意外と多いのではないでしょうか?
腕に限らず、肌ならどの部分でもツルツルすべすべにしておきたいと思う人も多いでしょうし、暑い季節やフォーマルな場などで、本当はかわいいノースリーブを着たいのに、二の腕のぶつぶつのせいで結局は着るのを諦めてしまう、なんてこともあるようです。
今回は、二の腕のぶつぶつはなぜできてしまうのか、その原因と治すにはどうしたら良いのかについて、ご紹介します。
二の腕のぶつぶつはナゼできるの?その原因とは
二の腕のぶつぶつを医学的にみますと、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という皮膚疾患に分類されます。毛孔性角質化症とよばれることもあります。実はこの皮膚疾患に悩んでいる人は意外に多く、4人に1人が毛孔性苔癬をもっているといわれています。
この毛孔性苔癬ですが、実はまだ、根本的な原因が解明されていません。ですが、両親のどちらかが毛孔性苔癬だった場合、高い確率で発症するケースが多いため、主には遺伝によるものと考えられています。
また、肌表面の角質が何らかの原因でターンオーバーの異常が起きてしまうと、毛穴に詰まった角栓が皮膚で盛り上がり丘疹となってしまうことも原因の一つです。さらに、妊娠や出産後の女性も二の腕のぶつぶつに悩むことが多く、ホルモン代謝の異常も原因に関係しているのではないかと考えられています。
二の腕のぶつぶつってニキビとは違うの?症状と特徴について
毛孔性苔癬とニキビは、皮膚から盛り上がってぶつぶつしている形や、赤みを伴いやすいという特徴が似ています。また、肌のターンオーバーの異常やホルモンバランスの変化などを原因として発症することが多く、メカニズムも似ているので勘違いされることも多いですが、全く違うものです。
ニキビは毛穴に詰まった皮脂を栄養にして繁殖するアクネ菌によって起こる「炎症」であるのに対して、二の腕のぶつぶつは、毛穴に溜まった角質の先が皮膚の表面で盛り上がった状態です。なので、発症するまでのメカニズムに微妙に違いがあるのです。
他にも、二の腕のぶつぶつは顔などには発症しないとか、痛みやかゆみがないとか、炎症にはならないなど、症状そのものにも複数の違いが見つけられます。二の腕のぶつぶつは、あってもそれが健康上とくに問題になることはなく、30代頃になると自然に治癒して消えていく場合も多いのです。
二の腕のぶつぶつ 対策の重要ポイント
二の腕のぶつぶつができてしまう原因、ニキビとの違いもわかりました。では、実際どういった対策をとったらいいの?という点について細かくみてみましょう。
まずは、どのような対策が有効なのかについてです。具体的には原因となる角質化をおさえたり乾燥をさせないように心がけたり、ターンオーバーの異常を元に戻す、ということなどがポイントになります。
生活習慣を見直して血行を促進させる
お肌の新陳代謝であるターンオーバーがつまることで角質が溜まっていくので、そこを改善してあげて肌の代謝を正常に戻すことが大切になります。よく言われることですが、健康的な食事をして良質な睡眠を取り、適度に運動をすることを心がけることが一番です。入浴などで血行を促進してあげると新陳代謝が活発になり、正常なターンオーバーを取り戻しやすくなります。
角質・角栓を取り除いて十分に保湿
二の腕のぶつぶつの正体はつまるところ毛穴につまった角栓ですから、それを洗って除去してあげるのも有効です。ただし、硬めのナイロンタオルなどでゴシゴシやるのは絶対にNGですから注意を!患部はやさしく洗って刺激を与えないようにしましょう。
また、肌の乾燥もぶつぶつができる大きな原因のひとつですから、しっかりと保湿をするのも重要です。保湿は肌のターンオーバーを促す作用もあるので、二の腕のぶつぶつ対策としては絶対に欠かせません。かかとのガサガサを保護する尿素配合の保湿クリームなどは、二の腕のぶつぶつにも効果を発揮してくれるので、しっかり塗って肌を乾燥から防ぎましょう。
二の腕のぶつぶつセルフケアのお役立ちアイテム4つ
二の腕のぶつぶつ対策として手軽に始められるセルフケアのお役立ちアイテムをご存じでしょうか?どれも市販されているものなので、誰でも購入することができます。クリームや石鹸など外用するものが中心でターンオーバーの正常化や保湿効果が期待できます。
ペリカン石鹸/二の腕ザラザラを洗う重曹石けん
重曹が配合された二の腕用の石鹸です。二の腕のぶつぶつに対する効果とコスパに優れている点が好評の商品。二の腕ザラザラのために開発されているのも大きな魅力です。簡単な自宅ケアから始めたい人にピッタリです。さっそく今夜のバスタイムから使ってみては?
ザラプロ
ロート製薬から販売されている二の腕とサメ肌用のケアクリームで、角質を軟化する尿素や抗酸化作用としてビタミンCなどの成分が含まれています。さらりとした質感が特徴。保湿力には定評があります。
小林製薬/ニノキュア(医薬品)
小林製薬から販売されている尿素クリームでトコフェロール酢酸エステルで血行を促進し肌のターンオーバーを正常にするのが特徴です。知名度はあまり高くないですが、二の腕への効果も好評です。
メンターム U20クリーム(医薬品)
「ザラプロ」と同じロート製薬が販売しているクリーム。グリチルリチン酸二カリウムが 肌あれを改善し、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)>が肌の血行を促進し、新陳代謝をアップさせます。かかとやヒジにも使えるのでとても便利。
一般的な皮膚科で二の腕のぶつぶつを治す
二の腕のぶつぶつはできたとしても健康上には何ら影響はありませんが、医療機関で治すことも可能です。かかりつけの一般的な皮膚科(保険適用範囲内の治療)でも対応はできるので、医師の判断を仰ぎながらぶつぶつを消していきたい人には受診がおすすめです。
皮膚科の治療では厚くなった角質を溶解するサリチル酸や尿素が配合された外用薬やヘパリン類似物質が配合された保湿剤が処方されます。また、医院によっては薬剤ではなく、漢方薬を処方するところもあります。イボやニキビなどの角化症に効果のある漢方薬としてはハトムギ(ヨクトニン)が有名です。漢方薬を処方するほとんどの医院で取り扱いがあるハズなので、出してもらうのはそれほど難しいことではありません。
美容外科クリニックで二の腕のぶつぶつを治す
美容皮膚科や美容外科でも二の腕のぶつぶつを治療しています。
一般の皮膚科とは違い、保険適用外の様々な施術が受けられるところがポイント。主な治療方法としてはケミカルピーリング、ダーマローラー、レーザー照射といった方法があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
ケミカルピーリング
化学的な薬液の働きによって肌の角質をとり、肌組織を新しくする方法です。ニキビ跡の治療などにも使われるこの治療法は二の腕のぶつぶつにも有効です。
主に使われる酸はグリゴール酸やサリチル酸、乳酸、リンゴ酸などのフルーツ酸などです。肌質やアレルギー反応の強弱などに応じて徐々に酸性の高いピーリング液を使用していくやり方のほうが、時間はかかりますが安全できれいに仕上がります。ホルモンやビタミンのバランスを整える内服薬の服用を同時に進めていくと、より早く効果が得られます。
レーザー照射
医療脱毛でも使用されるアレキサンドライトレーザー、フラクショナルCO2レーザーなどを照射して二の腕のぶつぶつを治療する方法です。
レーザー照射によってターンオーバーを起こして肌の奥から細胞を入れ替え、皮膚を新しいものに生まれ変わらせます。こちらも、レーザーの種類を肌質やぶつぶつの状態によって使い分けます。
脱毛サロンなど、10~30ジュール程度の弱いレーザーしか照射できないところでは、医療レーザーと同等の効果を得ることは難しいので注意が必要。きちんとしたクリニックで、高出力のレーザーを当ててこそ効果が得られます。
ダーマローラー
ダーマローラーとは、極細の針が無数についているローラー状の治療器具のことです。
このローラーを患部のうえで転がし、二の腕のぶつぶつができている皮膚組織にわざと刺激を与え、炎症を起こさせます。すると、針の刺激によって傷がついた皮膚組織でコラーゲンが増え、ターンオーバーが活性化されます。それによって皮膚組織が深層から新しいものに入れ替わるため、ぶつぶつを治療することができます。
何度か繰り返し施術を受けることが必要になるので、クリニックによって差もありますが、施術完了まで3~6ヶ月程度かかります。外部からコラーゲンを注入する方法とちがい、体の内部から分泌を促す方法なので副反応などが起こりにくく、効果も持続するといわれています。
二の腕のぶつぶつを治してコンプレックスをなくそう!
いかがでしたでしょうか?二の腕にぶつぶつも治せることがお分かりいただけたと思います。
健康上、特に気を付けなければいけないものではないので安心もできますし、原因を知ることで対策もとりやすくなりますね。
病院やクリニックに駆け込んでみるのもよいですが、まずは生活習慣や角質ケアなど地道に取り組んでいける方法から試してみると良いと思います。少しずつでも続けることが、二の腕のぶつぶつとサヨナラする第一歩になります。
諦めず妥協せず、しっかり治してツルツルスベスベな自慢の二の腕を手に入れてください。