耳元を彩るお洒落の定番ともいえるピアスですが、正しい手順を知らないとトラブルの元にもなりかねません。
痛みや手順など不安を感じる方にとって役立つファーストピアスの基礎知識をお伝えします。
事前知識は大事!知っておきたいピアスの基礎知識
何の事前知識もなく、薬局でピアッサーを買って来てパチッ!と穴をあけるような勇気ある人はかなり少数だと思いますが、ファーストピアスをあけようと考えているのであれば、まずは覚えておきたいピアスの基本用語をまとめました。
ピアスをあける前に知っておくべき知識とは、自分自身の体を守るためのものでもあります。友達は大丈夫だったから自分も、とは限りません。人の体は十人十色です。
正しく理解して、安心してピアスを楽しめるようにしましょう!
ピアスの基礎知識 基本の用語を知っておこう
ピアスの穴をあけること。
【ピアスホール】
ピアスの穴。
【ファーストピアス(スタッドピアス)】
ピアスホールが完成するまで
装着しておくピアス。
定期的に消毒が必要になります。
【セカンドピアス】
ピアスホールが完成してから
装着するピアス。
【ゲージ】
ピアスの太さを表します。ピアスには
1ミリ前後の太さが多く、主流なのは
18ゲージくらい。ミリ換算で1.02mm。
例)18Ga、16Gaなどと表記。
【ポスト】
ピアスの軸のこと。
ファーストやセカンドピアスには、
ポスト部がまっすぐなスタッドタイプを
選びましょう。
【キャッチ】
スタッドピアスの留め具のこと。
初めてのピアス、ファーストピアスについて
ではいよいよ、ファーストピアスについて詳しくご説明していきたいと思います。
ファーストピアスについてしっかり把握しておけば、今後どれだけピアスをあけていくことになったとしても、また耳だけでなくボディピアスなどを行うときにも参考になってくるかと思います。
ファーストピアスの重要性を抑えておくことで、今後のオシャレがもっと楽しめるようになるはず!ここでは順を追って説明していきたいと思います。
ファーストピアスってそもそも何?
ファーストピアスとは名前のごとく、生まれて初めてあけるピアスのことをいいます。
より細かくいえば、ピアスホールを安定させるために最初にあけたときからずっと装着しておくピアスのこと。スタッドピアスともいいます。
金属アレルギーに配慮した樹脂製のものや、純チタン製のものが主流となっており、ピアッサーかニードルを使って穴をあけたあとは、そのピアスホールが塞がらないようにするために装着し続ける必要があります。
キャッチを押し込みすぎると、耳たぶがピアスのヘッドとキャッチに挟まれた状態になり、血行が悪くなって傷つきやすくなったり、ピアスが耳たぶに埋没してしまうこともあるため注意が必要です。
ファーストピアスの素材選びは慎重に!金属アレルギーを起こすことも
金属アレルギーは、親の遺伝で初めから持っている人もいれば、後天的になる方もいます。
原因は、汗など分泌物などで金属が溶け出し、金属イオンという物質がたんぱく質と結合してアレルゲンに変化したもので引き起こされます。特にピアスは肌表面に接触するアクセサリーと比べ、組織そのものに触れるため発症率が高くなります。
対策としてはアレルギー反応を起こしにくい金属(金/銀/白金/プラチナ/ジルコニウム/タンタル/純チタン/医療用ステンレスなど)を使うことです。
その際キャッチ(留め具)部分の素材も確認するようにしましょう。
ファーストピアスのベスト位置は?耳たぶの「どこ」に開けるかがポイント
ファーストピアスに相応しい位置を決める際の注意点とポイントをご紹介します。
左右バランスよく均等にあけることは大前提として重要です。耳の形が左右で異なる場合は、ピアッシングする位置を顔全体で捉えたときに左右均等になるようにあけると良いでしょう。
耳たぶのキワに近いところで中心よりもやや外側、ここが可愛く見えるポジションです。反対に耳たぶのキワに近いところだと、大きなフープタイプや揺れるピアスが可愛く見えるポジションです。
マグネットピアスでシュミレーションすると決めやすいかも知れません。
ファーストピアスはどっちであける?病院とセルフ
ピアスをあけるには病院かセルフ、どちらかで行うことになります。
安全性を考えて、病院で行うという人もいれば、安全性を考えて、自分で情報を収集して知識を得て、皮膚のパッチテストを自ら行い、器具の使い方に至るまで配慮し、セルフでピアッシングするという方もいらっしゃるでしょう。
病院とセルフ、どちらにもメリットとデメリットがありますが、より一般的な観点を意識しながらご紹介していきます。
初ピアスを病院であけるメリットデメリット
・病院であけるメリット
病院を利用した場合のピアッシング、そのメリットはなんと言っても「安全性」と「仕上がりの美しさ」に表れるのではないでしょうか。
経験とセンスがモノをいうピアッシングですので、穴をあける位置がズレないよう、また、感染症などが起きないように配慮された中で行うこと、そして化膿止めの薬が処方され、何かあった場合でも医師に相談できることが最大のメリットと考えられます。
・病院であけるデメリット
反対にデメリットは、ピアスあけを行っている「皮膚科/美容外科/耳鼻科」では、医療行為でありながら保険適用外となるため実費負担がデメリットとされるようです。
初ピアスを自分であけるメリットデメリット
・セルフであけるメリット
セルフで行うピアッシングのメリットは、その「お手軽さ」にあります。
費用もピアッサーかニードルと消毒薬と保冷剤のみ、お値段にして3,000円程度と病院に懸かる費用の半額以下で済む場合が多く、慣れてくると多少失敗してもさほど気にせず次々あけていく方も多いようです。
・セルフであけるデメリット
デメリットは、ホールの角度が左右で違ったりバランスよく出来ないといった失敗から、金属アレルギーや化膿止めが上手くできずに感染症などを引き起こす、と言った案外しゃれにならない状態になる方もいらっしゃいます。
ファーストピアスは素材だけでなく形状にも気を付けよう
ピアスをすることがきっかけで金属アレルギーになってしまうことがあります。一度アレルギーを起こすとその材質の金属に触れるたびにかぶれてしまうといったデメリットがあるため、質の良いもの、金属アレルギーリスクの少ないものがファーストピアスには適しています。
ファーストピアスには軸が長めで太いものが好ましく、具体的に太さは16Ga(1.2mm)、長さは0.8mm程度が一般的です。
また、樹脂タイプの透明ピアスはホールを傷つけやすいため、不衛生な状態となって腫れたり化膿を引き起こしやすいためファーストピアスには不向きと言えます。
ファーストピアスの洗浄・消毒について
ファーストピアスはホールが安定するまで4~6週間は装着し続ける必要があります。その間、化膿や腫れなどのトラブルを避けるために洗浄・消毒が必要です。
ホールが定着するまでは穴の内側に皮膚が覆われていないため、外してしまうと穴が塞がってしまいます。そのため、洗浄・消毒時ピアスは外さないで行いますが、消毒液は早く乾燥するものを使わないと、ホールができあがるのを妨げるばかりか傷める要因になり、細菌感染を引き起こしかねません。
そのため洗浄のみで充分、消毒は逆効果という意見もありますが状態をみて適切なケアが必要です。
ファーストピアス期間のNG行動は?
ピアスホールが完成するまでスタッドは外さないことが重要です。
概ね1ヶ月?3ヶ月はそのままで定着させることが必要ですが、個人差もあるため安静に過ごすことが基本です。普段の生活での注意点として、プール等雑菌の多い場所は避け、ヘアカラーやパーマ、縮毛矯正などの成分が付着すると細菌が増殖する温床となるため使わないようにしましょう。
また、スキーやスノボは凍傷の原因になりかねません。反対にサウナや岩盤浴などはピアスが熱を持ち火傷をしかねませんので、これら極端な温度差のある場所は避けるようにしましょう。
ファーストピアスを取り外すまでの期間と外し方
外す目安としては、薄皮が張り始めた4~6週間の時期です。
この時期になるとピアスを回せるようになります。これはピアスホールの組織(上皮)が定着した事を意味しており、安心してファーストピアスを外せるようになりますが、傷ついて血が固まった状態だと上手く回らないため外す時の基準になります。
清潔に保ちつつ、定着するまでの時期を過ごし、なるべく装着期間は長めにとってから外すようにした方が、トラブルを避けられるようになります。
3ヶ月以上経過することで耳の皮膚と同じ厚さのピアスホールになると言われており、完成までは日数がかかるものと考えておきましょう。
初めてのピアスは病院がおすすめ
要点を抑えることで理解が深まるかと思いますが、すべての人が全く問題なくピアスをできるわけではなく、ピアスケロイドが生じる可能性の高いケロイド体質の人はピアスを避けた方がいいとされています。
そのため、ファーストピアスに不安が多い場合には病院であけるのが無難かつオススメです。