口臭の原因とも言われる舌の汚れ。
舌ケアを怠ると口臭以外にどんな害があるのか?また、間違ったケアを選択しないためにも正しいケアとは?
理解を深めて24時間いつでもキレイな息でいられるようにしましょう!
口臭の原因「舌苔」の正体は繁殖した細菌!
歯磨きの回数で口臭を減らそうと考えたり、口臭スプレーをしたりしても大元となる原因を改善しないことにはその場しのぎにしかなりません。
口臭の原因は 舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌が白くなる現象が考えられています。
そもそも舌苔は舌の上にある細菌が繁殖することで見られるようになり、これら口臭を生む細菌は嫌気性菌と呼ばれ、酸素が少ない環境を好む細菌のため普段は舌の奥や喉などに生存します。
細菌によっては黄・灰・茶・黒などに変色することもあり、舌苔が白っぽい色以外になってきたら内臓疾患なども疑われるため注意が必要です。
なんで細菌が繁殖してしまうの?
細菌が繁殖する原因は、食事をした時の食べ物の残りカスや、口腔内の細胞がはがれ落ちて舌の上に残ったものを栄養に繁殖することが考えられます。
通常は、唾液で大半が洗い流されるために口臭に発展することはありませんが、唾液の分泌量が減っているとそれらが洗い流されず舌の上に堆積していき、口臭を生む細菌の繁殖に一役買ってしまうことになります。
唾液の量が減ることをドライマウスといい、適切なケアが必要となります。
原因① 食べ物・上皮細胞のカス
舌の細胞は1日周期でターンオーバーするといわれており、舌表面の上皮細胞は1日ごとに内側からどんどん新しい細胞に変わっていきます。
こうしてターンオーバーによって剥がれ落ちた上皮細胞のカスや、食べものの残りカスは、大半は唾液の分泌によって流されますが、それでも残ってしまった細菌がそのカスをエサに繁殖することで、舌苔が発生していくと考えられています。
また、舌苔に潜む細菌がタンパク質であるアミノ酸やペプチドを食べ、悪臭を放つ「アミン」と呼ばれる臭いの元凶となる毒素を放つことが口臭の理由といわれています。
原因② ドライマウス
口の中は絶えず唾液が分泌されることで細菌を洗い流す作用があり、細菌の繁殖を抑えることで口臭予防ができるというメカニズムを持っています。
ところが、ドライマウス(口腔乾燥)と呼ばれる唾液の減少(加齢・ストレス・病気・薬の副作用など)によって起こる乾燥が始まると、洗い流すべき細菌が舌の上にとどまることになり舌苔を引き起こすといわれております。
ドライマウスを引き起こす主な要因として、寝ているときの口呼吸や、いびきをかくような人は口の中が乾燥しやすい傾向にあり、喫煙や疲労、水分の摂取不足も主な要因であるといわれています。
それだけでなく、舌の上にある舌乳頭(ぜつにゅうとう)は唾液を溜める機能がありますが、舌磨きをやりすぎることで舌乳頭をはぎとられ、唾液が溜まらずに乾燥を引き起こすことも考えられています。
正しい舌ケアをすると、どんな効果があるの?
正しい舌ケアを行うことの利点として、舌苔を取ることで口臭対策になり、磨きすぎによって傷つけた舌乳頭を回復させて味覚障害対策にもなります。
また、介護が必要な方に多い、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の防止や、舌をチェックすることで体調の把握ができる習慣が身につきます。
風邪やインフルエンザなどの細菌をしっかり予防する唾液の分泌も促すため、正しい舌ケアを取り入れることで健康な生活を送ることも難しくありません。
正しい舌ケア① 舌専用掃除グッズを使おう!
舌ケアに何故舌ブラシや舌ベラが売られているのか?それは単に舌苔落としに適しているからという理由だけではありません。
代用品として歯ブラシを使う人はまだまだ多いのかも知れませんが、毛先が縦型についている歯ブラシは舌に傷がつく可能性があります。
舌乳頭を落としてしまうことで唾液が溜まらずにドライマウスを引き起こしやすく、そのまま悪い習慣が引き続くと、最悪のケースとして舌癌にまで発展することも考えられています。
反面、舌ブラシなどは舌を傷つけない形状・素材が用いられているため、正しいケアには必須といえます。
初心者にオススメの舌クリーナーは? 口腔ケアチャンネル
舌苔除去の際に初心者の方が気をつけるべきポイントを抑えつつ、オススメの舌ケアグッズをご紹介します。
口臭の原因となる舌苔を取り除くためには、歯ブラシよりも舌ブラシを使う方が効果的ですが、ベラタイプとブラシタイプ、どちらが好ましいのか?
舌を傷つけずに、舌苔を除去することに慣れていくことが大切です。
<SFY>舌ブラシの使い方
形状が似ているけれども全く違う歯ブラシと舌ブラシの使い方。
歯ブラシは硬いエナメル質で出来た歯に対して使いますが、舌ブラシは柔らかい粘膜で覆われた舌に使います。
皮膚の表面を力任せにブラシで擦るようなことをしては、結果的により一層口臭がひどくなるため、正しい使い方を覚えましょう。
正しい舌ケア② 効果的な回数とタイミングを知ろう!
舌苔が最も出来やすい時間帯は就寝時になります。
寝ている間は唾液の分泌が抑えられて細菌が繁殖しやすいため、最も効果的に舌ケアが行える時間帯は「朝」ということになります。
推奨されている舌ケアの回数は1日1回。
ブラッシング回数は5~6回を目安に、嘔吐反射に気をつけながら舌の奥から優しくかき出すように行います。
朝食前もしくは食後しばらく経ってから行うことが良いとされており、力任せに行うと舌乳頭や味蕾(みらい)を傷つけることになり、味覚障害や口臭の悪化などのトラブルに繋がるため気をつけましょう。
舌の清掃!歯科衛生士が伝授する効果的なケア方法
歯科衛生士による、舌ケアの正しい方法の紹介動画です。
舌ケアに必要な道具の使い方から、道具の持ち方、推奨回数まで。
ポイントは、舌の細胞を傷つけないこと。嘔吐反射しやすい苦手な人でも試しやすい3秒ルールなど、始めたばかりで慣れていない人でも、そうでない人でも参考になるポイントが紹介されています。
舌の清掃は食後すぐに行う? 口腔ケアチャンネル
歯磨きの場合、食後すぐに行うと口内が酸性のため歯を傷つけやすく、15分~30分程度あけた方が良いと言われていますが、舌ケアは嘔吐反射を起こしやすいから、という理由のためすぐにケアしない方が好ましいとされています。
オエっとなってしまう嘔吐反射を起こさない2つのコツもあわせて覚えておきましょう。
悪化する?!NGな舌ケアとは
良かれと思って行うことが不要なトラブルを招きやすい舌ケア。
実際に悪化してしまう場合にはどういったことが起こるのかというと、過剰に舌磨きを行うことで味覚障害や舌苔をより繁殖させる結果を招くドライマウスを引き起こします。
歯ブラシで舌磨きを行なったり、研磨剤の多い歯磨き粉を使用することでも同様のトラブルに発展しやすいと考えられています。
舌に傷がつくと細菌が繁殖しやすいため、舌も胃の内壁と同じような粘膜であると理解することが大切です。
おすすめ舌ケアグッズ
虫歯予防の歯ブラシには、歯垢を除去するための様々なブラシやフロス、マウスウォッシュなどがあるように、舌ケアにおけるグッズにも目的に応じたバリエーションがあります。
舌ブラシひとつ取っても舌苔の程度や慣れによって選ぶべきアイテムがあり、より効果的に舌を傷つけることもなく舌苔を除去するためのグッズなど豊富なラインナップがあります。
その中でもおすすめとなる3つをご紹介します。
グリコ/BREO
舌ブラシや舌ベラが合わないという方や、舌を傷つけてしまうことを懸念されている方にとってこれほど使いやすい舌ケアグッズもないのでは?と思えるタブレット型の口臭ケア用品です。
臭いを上からかぶせて誤魔化すことをせず、舌苔除去に特化したザラついた表面でニオイの元からすっきりすることができる最も手軽な口中ケアです。
スマイルコスメティック/ホワイトニングペースト
歯を白くし、口臭予防につながる舌苔を除去することもできるペーストタイプの口中ケアグッズです。
イオンクレンジング成分が歯に蓄積したくすみを浮かせブラッシングで歯を白くする効果があり、ホワイトパウダーが舌のひだにたまった舌苔を浮かせて落とすことができる、歯と舌に効果のある毎日使えるケア用品です。
エビス/舌クリーナー
ヘラとブラシを備えた機能的な舌みがき用のグッズです。
手前にくる舌ベラで舌苔をかき出し、奥のやわらかいブラシですくい出すという構造をしており、舌に余分な力がかからない様に適度にしなるため、舌を傷つけることや嘔吐反射も軽減してくれます。
舌磨きは適度に行うこと
舌ケアについてご紹介してきましたが、最後にお伝えしたい注意点は過剰な舌磨きは悪化(舌苔を厚く)させる可能性があり、余計な舌トラブルを招いてしまうということ。舌苔を取りすぎない(健康な舌は薄く白い状態)こと。
この2点を意識してきれいな息で過ごしましょう!