茶クマとは、目の周りの皮膚が色素沈着により茶色くなり、クマとなって現れたものです。
多くの人が悩まされているクマの一種であり、主な原因となっているのがメラニン色素の沈着です。日頃からの外的な刺激や誤ったお手入れの積み重ねなどで、肌にダメージをもたらしてしまうと、メラニン色素が沈着してしまいます。
色素沈着にも2つパターンがあります。
- ①紫外線や摩擦など外部からの刺激によるもの
- 目の周囲の皮膚は刺激に弱いため、少し擦るだけでも色素沈着の原因となります。
- ②合わない化粧品やメイク汚れによるもの
- マスカラやアイラインなどのアイメイクを落としきらないと、そこにまた紫外線が当たり、色素が残ってしまいます。
このように、紫外線や過度なクレンジング、目のこすりすぎによる刺激等がメラニン色素を活性化させて茶クマが形成されます。茶クマは目の下にできているだけで、基本的にはシミと変わりません。
原因はメラニン色素!日々のケアが大切な茶クマ
顔全体の中で、クマは目の周りにだけ現れます。その理由は、皮膚の薄さです。目の周りの皮膚が他の箇所の皮膚に比べて、とても薄いからです。
目の下に茶色く見えるクマができたら、色素沈着が原因であることがほとんどです。クマの上にファンデーションを塗ると目立たなくなるのが、このタイプの特徴です。皮膚をひっぱって伸ばして見てもクマが見えていれば、茶クマと言えるでしょう。同じ茶クマでも、皮膚の表面にある表皮にできる場合と、表皮の内側の、皮膚の奥深く(真皮)にできる場合とがあります。
表皮にできる茶クマは、目の下のみならず目の上のまぶたに生じることがあります。まぶたにできる茶クマは、色素沈着に加え加齢による老化が原因である場合もあります。一般的に茶クマが生じる場合、皮膚が紫外線を受けるとシミやくすみのもととなるメラニン色素の増加が原因です。メラニン色素が増える場所が目の下であった場合、皮膚自体が黒ずむのと同時にクマとなって皮膚に現れるのです。
遅発性両側性太田母斑様色素斑?
真皮にできる茶クマの場合、遅発性両側性太田母斑様色素斑(ちはつせいりょうそくせいおおたぼはんようしきそはん)である可能性があります。表皮にできるクマに比べると、少し青みがかった茶色をしています。成人以降に見られるクマで、両頬を中心に発症することが多い症状ですが、目の下にもクマとなって現れます。
これらの茶クマは皮膚自体に色が付いてしまっているため、色を薄めることは他のクマに比べて時間や手間がかかり、難しい点があります。普段の生活の中での、何気ない行動が茶クマの原因となります。花粉やハウスダストなどで目にかゆみを感じた時、眠くなった時などに目を擦ってしまうのも、その一例です。また、アイメイクをする際に擦り付けてしまったり、メイクを落とす時に力を入れてしまったりといった行動も、茶クマの原因となる場合があります。
茶クマの解消法
- 美白化粧品と紫外線対策で茶クマを解消
- シミと同じ仕組みでおこる茶クマは、シミの対策と同様に美白効果の高いハイドロキノンやビタミンC誘導体を配合した化粧品でスキンケアを行うと効果的です。そして、色素沈着に繋がる紫外線をカットするUVケアを徹底しましょう。紫外線は夏に強まりますが、それ以外の季節でも降り注いでいます。一年を通して紫外線対策を怠らないようにしましょう。
- シミ取りクリームで茶クマを解消
- 市販の美白化粧品で効果が薄い時には、直接皮膚科へ行ってハイドロキノンやトレチノインクリームといったシミ取りクリームをもらってもいいかもしれません。ただし、これらのシミ取りクリームは成分が強いため、用法を間違えると逆に色素沈着が進んでしまうので注意してください。
- 摩擦を避けたスキンケアで茶クマを解消
- スキンケアを行う際に注意しなければいけないのが摩擦です。色素沈着を防ぐためにはメイク汚れをしっかり落としケアすることが大切ですが、その際に強く擦るのは良くありません。皮膚が薄い目の下は優しく触れるように注意しながらスキンケアを行うのがポイントです。
- ビタミンCを補給してメラニン生成を抑える
- メラニン色素を抑えながら肌の代謝を助けるビタミンCは、茶クマの撃退には大切な栄養素です。トマト、ブロッコリー、ゴーヤなどビタミンCを多く含みながら美容効果も高い食品で補給するように心がけましょう。
- ターンオーバーを促して茶クマを解消
- 色素沈着を薄くしていくためには、ターンオーバーを促し皮膚の生まれ変わりを正常にしてあげることが大切です。定期的にピーリングを行い、古い角質を落としてあげる他、バランスのとれた食事や規則正しい睡眠など生活面から気を使っていくことも重要です。茶クマはすぐに治すことが難しいクマですが、焦らず長期的に改善を目指していきましょう。
表皮レベルの色素沈着はターンオーバーにより改善していきますが、肌の奥まで定着してしまう真皮レベルのものは自力での改善が難しくなります。その場合は、美容皮膚科などのレーザー治療が有効になります。
茶クマの治療法
美容クリニックで比較的よく用いられる施術
- レーザー照射治療
- レーザー照射はピーリング効果で肌細胞の新陳代謝を促進し、メラニン色素の排出を促す効果があります。また、メラニンが過剰に生成されるのを防ぐスタックトーニングという特殊なレーザーなども開発されています。
- 注射系治療
- 注射系治療の中には細胞を活性化し若返らせ、皮膚再生を促す効果のあるprp血小板療法などがあります。茶クマのような手強い色素沈着に有効です。
美容クリニックや美容皮膚科で行われている茶クマの治し方としては、メラニン色素が沈着してしまった角質や肌の細胞をターンオーバーさせるやり方が一般的です。皮膚の薄い目の下のクマには難しいと言われていたレーザー治療も、最近は進歩してきました。もし気になる施術があれば、一度クリニックでカウンセリングされてはいかがでしょうか。ご自身の症状に合った良い方法が見つかるかもしれません。